Story1途上国の人たちを救う仕事がしたかった

眼科医 内野美樹

医師を志したのは、幼少期をフィリピンで過ごしたことがきっかけです。当時住んでいた家を少し離れると、現地の貧しい人たちが住むエリアがありました。
その光景をみているうちに、将来はこの人たちを助けられるような仕事をしようと思ったのが医師になろうと思ったきっかけです。
もともとマイクロサージェリーに興味があり、眼科の道を志しました。眼科の中でも専門はドライアイで、近年増えている、長時間のPC作業によるVDT(Visual Display Terminal)症候群などの研究もしています。

Story2疫学の研究をするためにHarvard大学へ

眼科医 内野美樹

BostonのHarvard大学の中にある、Master of Public Healthの大学院を卒業しました。もともとは主人の留学について行ったのがきっかけです。
日本にいた時から、ドライアイの疫学的な研究をやっていたので、疫学的な分野の勉強をするために入学しましたが、とにかく入学試験が大変でした。
通常の大学院と同じですので、世界中の優秀な学生達に混じって英語の試験をパスしなければならなかったのです。
同級生の中に日本人は5〜6人という環境の中で2年間勉強しました。
そこで、予防医学を実践しているイチローカワチという世界的に有名な先生と出会い、一緒に色々な研究をしたのがとてもいい経験でした。

Story3遠隔医療相談が、予防医療の実践につながる

眼科医 内野美樹

留学中に見たアメリカの医療制度の中に、primary care physician制度というものがありました。
これは健康診断を受けた病院の医師に、何か困ったことがあった時に無料で電話相談ができるというシステムでした。こういったシステムはアメリカではすでにいくつかあるのですが、日本にはまだありません。しかしこのようなシステムは患者さんにとっても有益ですし、予防医学という観点からも非常に有益だと思います。予防医学というのは、現在すでに何かの病気に罹られている患者さんたちのもっと上流には、その病気の原因となっているものが必ずあり、その根本的な原因の部分から病気を予防していくという概念です。
『first call』は、そういったアメリカの医療サービスの様になりうる可能性を感じ、それに共感したので参加することにしました。
このサービスをきっかけに少しでも病気に罹る人を予防できる社会になればいいと思っています。

眼科医 内野美樹

眼科医

内野美樹

慶応義塾大学眼科 特任講師
平成13年慶應大学眼科学教室入局。立川共済病院、両国眼科院長を経て、平成24年Boston留学、Harvard公衆衛生大学院卒業。平成28年帰国し、現職。専門はドライアイ。日本におけるドライアイについての疫学研究の第一人者であり、VDT作業時間とドライアイの有病率の関係を世界で初めて証明した。患者の悩みをできる限り汲み取るのを信条としており、混雑した外来でもその姿勢は決して崩さないこだわり派。実生活では、2児の母でもある。

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