Story1大切な人のことを誰よりも理解したいと思い、医師を目指した

救急医 三上 哲

大切な人のことを誰よりも理解したいという気持ちからです。
私が高校3年生の時、元気だった祖母に脳腫瘍が見つかり、闘病の中で日に日に弱っていきました。主治医に熱心に病状を尋ねる母を横で見て、私の中にあった感情は悔しさでした。それは“なぜおかんが一番心配しているはずやろうに、一番ばあちゃんのこと分かってあげたいはずやろうに、なんでこの他人のほうが、理解してるんやろう”という感情でした。大切な人の大切な日常を守り、またそれが脅かされたとき、他人の誰よりもその状況を理解し寄り添いたいと思い、医師を目指しました。

Story2もしかしたら普段の外来診療よりもゆっくりお話ができていると感じる

救急医 三上 哲

医師が患者を治すという言葉は時にとてもおこがましい響きに聞こえます。患者さんの多くは自分の力で治癒する力を持っています。それを手伝うのが医療であり、医師だと思います。スムーズな治癒へのサポートのために絶対的に必要なものは、余計な心配や過剰な期待を煽らない、ありのままの状態を知るための情報です。それを時間や地域に制限されず、希望した医師から効率よく得るためのツールが遠隔医療相談だと思い、first callに参加しました。
実際にやってみて、非常に可能性を感じています。これは自分への反省でもありますが、もしかしたら普段の外来診療よりも相談者さまの目を見てゆっくりお話ができていると感じるからです。画面越しではあっても実際に目と目を合わせてお話しし、そこから得られる医療情報は非常に豊富であり、それをもとに一人一人のご相談者さまに必要な情報を提供できたときのやりがいは大きいです。また時間や場所を問わず、医師として仕事ができる効率のよさ、生産性の高さも大変有意義に感じています。

Story3遠隔診療の発展に伴い、生身の患者さんに触れる価値が再認識される

救急医 三上 哲

どこにいても,診察を受けたい医師に相談できるというアクセスの向上は、患者教育や患者の行動変容に寄与すると考えます。また利便性向上のみならず不要な通院を減らす診療費抑制にもつながるでしょう。そして今後遠隔診療の発達に伴い、生身の患者さんに触れられるという価値が再認識されると思うので、遠隔診療がネット上だけにとどまらず、対面診療にシームレスにつながり、医師も患者もサポートしてもらえるネットワークの構築となっていくことを期待しています。

救急医 三上 哲

救急医

三上 哲

宮崎大学医学部卒業、順天堂大学病院、聖路加国際病院勤務後、上海Columbia Clinicで
総合診療に従事。内科疾患のみならず小児領域、外傷まで多岐にわたる急性期診療を行う。
上海では、特にスポーツ外傷、整形外科領域診療に定評がある。
日本救急科専門医、集中治療医学専門医。

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